國比呂少年怪異譚
話を戻すと、俺はAについていって麓の鳥居の前まで来たんだけど、神様の罰が怖かったのと、なんだか妙な胸騒ぎというか、嫌な感じがしていたから行かないって言った。

Aにはこの弱虫とか散々言われて、癪だから随分迷ったんだけど、結局俺は行かなかった。

それで、20分ほど待ってたら、Aは戻ってきた。

「つまんなかった。社の中にはなんもない、鏡があるだけ」

なんだ、そんな物かと、俺はホッとした。

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