國比呂少年怪異譚
次の日には、Aから弱虫呼ばわりされたのもケロリと忘れて、Aとやっぱり遊びまくってた。

楽しい夏休みもいずれ終わる。

家に帰る時、Aは見送ってくれて、再来を約束した。

「またな、来年も絶対来いよ」

「おう。約束する」

で、次の年の夏休みも来たんだけど、俺は御馳走されたスイカを食べながら、

「明日は、Aと遊びたい」

と言ったら、ばあさんと叔父さんの顔が急に曇った。

「あのなあ…お前はA君と仲良かったから黙ってたんだけど、実はA君は死んだんだ」

「えっ」

「夏休みが終わって、3日程してかな、海で溺れちまって……」

ショックだった。

昨年の事を思い出して、もしかしたら神社の罰かもと思ったけど、まさか社殿に入っただけで神様が祟り殺す筈はないよな、と思い直した。


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