國比呂少年怪異譚
俺が大学生の頃、オヤジが亡くなった。

オヤジが亡くなった年の12月初旬に従弟の國比呂から電話があって、大晦日から元旦にかけて行う、オヤジの地元の祭りに参加しろとの事だった。

「國比呂、俺、神戸なんだけど。交通費もかかるし、参加しなくてもいいだろ」

『駄目ですよ、お兄さんが亡くなったから、貴方が本家の当主ですよ。本家が祭りに出ないなんて、絶対に駄目です。お兄さんも毎年参加して、元旦に神戸へUターンしてたでしょ』

「おかげでお袋は、その祭り、本当に参加しなきゃいけないの!って毎年ぷりぷりしてだけどな」

『あー、言い訳はいいですから』

そう言われて、渋々祭りに参加させられる事になった。

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