國比呂少年怪異譚
当日、大晦日の20時に着くと、國比呂がイライラして待っていた。

「遅いですよ。19時には着くって言ったじゃないですか」

「ごめんごめん、市内で鯛飯食ってたから、でも祭りは21時からだから、十分間に合うだろ」

「潔斎する時間を考えて下さいよ」

俺は潔斎と言われて驚いた。

そんなに本格的な神事なのか?

俺は慌ただしく、風呂場で潔斎して、オヤジのお古の家紋入り羽織袴を着せられ、祭りの会場の浜まで走って向かった。

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