國比呂少年怪異譚
次の日、なんとなく気になって、國比呂に注連縄の事を訊ねてみた。
「なぁ、神社だけどさ、注連縄逆じゃないか?」
「は?そんな事も知らずに祭りに参加してたんですか?」
「だって、オヤジも教えてくれる前に死んじゃったし、誰も教えてくれてないだろ」
「そうか……そうですよね、じゃあ、きちんと説明しておきます」
國比呂はその場に正座した。
「あの神社は、神明社で天照大御神を祭ってある事になってるけど、実は違います。ご祭神はもっと恐ろしい物なんです」
「えっ、そうなの?」
「明治時代に、各地の神社の神様が調査されたんだけど、役人がこの土地に来た時、単に土地の者は、神様って呼んでただけで、神様の名前は知らなかったんです。何しろ昔の人間は神様の名前なんて、恐れ多くて知ろうともしなかったし、興味もなかった。それで、役人が適当に神明社って事にしたらしい。こうやって、各地の無名の神様が記紀神話の神様と結びつけられていったんです」
「なぁ、神社だけどさ、注連縄逆じゃないか?」
「は?そんな事も知らずに祭りに参加してたんですか?」
「だって、オヤジも教えてくれる前に死んじゃったし、誰も教えてくれてないだろ」
「そうか……そうですよね、じゃあ、きちんと説明しておきます」
國比呂はその場に正座した。
「あの神社は、神明社で天照大御神を祭ってある事になってるけど、実は違います。ご祭神はもっと恐ろしい物なんです」
「えっ、そうなの?」
「明治時代に、各地の神社の神様が調査されたんだけど、役人がこの土地に来た時、単に土地の者は、神様って呼んでただけで、神様の名前は知らなかったんです。何しろ昔の人間は神様の名前なんて、恐れ多くて知ろうともしなかったし、興味もなかった。それで、役人が適当に神明社って事にしたらしい。こうやって、各地の無名の神様が記紀神話の神様と結びつけられていったんです」