國比呂少年怪異譚
「じゃあ、何の神様か解んないんだ?」
「いや」
國比呂は首を横に振る。
「名前が解らないだけで、どんな神様かは解る。御霊信仰って知ってますか?」
「知ってる。祟り神とか、怨霊をお祀りして鎮める事で、良い神様に転換して御利益を得る奴だろ。上御霊神社とか天神様とか……まさか」
「そうです。海は異界と繋がってるって言われるでしょ、だから良くない物が時々海からやってきてしまう。特にここら辺は地形のせいか、潮のせいか、海からやってきた悪霊とか悪い神様が、あの浜には溜まりやすいらしい。それが沢山溜まると、漁に出た船が沈んだり、町に溢れて禍をもたらしたりする。だから溜まる前にこっちから、神様をお迎えして神社に祭る。それが祭りの意味なんです」
「いや」
國比呂は首を横に振る。
「名前が解らないだけで、どんな神様かは解る。御霊信仰って知ってますか?」
「知ってる。祟り神とか、怨霊をお祀りして鎮める事で、良い神様に転換して御利益を得る奴だろ。上御霊神社とか天神様とか……まさか」
「そうです。海は異界と繋がってるって言われるでしょ、だから良くない物が時々海からやってきてしまう。特にここら辺は地形のせいか、潮のせいか、海からやってきた悪霊とか悪い神様が、あの浜には溜まりやすいらしい。それが沢山溜まると、漁に出た船が沈んだり、町に溢れて禍をもたらしたりする。だから溜まる前にこっちから、神様をお迎えして神社に祭る。それが祭りの意味なんです」