國比呂少年怪異譚
しばらくゲームしながら待ってたら、祥子ちゃんから電話がかかってきた。

「ごめんちょっと遅れるね、面白いものが納屋から見つかって、家族で夢中になってた~。昭雄ってさ、クイズとかパズル得意だったよね?面白いもの持って行くね!もうちょっと待ってて~」

そんな感じの内容だった。

で、40分くらいした頃かな、祥子ちゃんがやってきた。

その瞬間、というか祥子ちゃんの車が俺ん家の敷地に入った瞬間かな。

「やばい。これやばい…どうしよ…父さん今日留守なのに…」

國比呂がそう言った。

「ん?國比呂どうした?また出たんか?」

「大丈夫?またなん?」

俺と佳奈美が言うと。

「出たってレベルのもんじゃないかも…はは…昭雄さんやばいよこれ、祥子さん…まじですか…」

國比呂は普段は霊感あるとかオバケ視るとか神社の仕事とか、あまり話題には出さないが、たまにこうやって怯えてる。

俺も祥子ちゃんも佳奈美も、その事は知ってるが、國比呂が突っ込んだ話されるのを嫌がるので普段はあまり話題にしない。

祥子ちゃんが俺の部屋まで上がってきた。

國比呂は顔面蒼白。

「祥子さん…何持ってきたんですか?出してみて下さい」

「え?え?もしかして私やばいの持ってきちゃった…のか…な?」

…無言のまま頷く國比呂。

「これ…来週家の納屋を解体するんで掃除してたら出てきたん」

そういって祥子ちゃんは木箱を出した。

20センチ四方ほどの木箱だった。

電話でパズルって言ってたのはこの事だろう、小さなテトリスのブロックみたいな木が組み合わさった箱。

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