恋色シンフォニー 〜第2楽章〜
「まあまあ、その方が噂の彼女さんね?」
……何だか前に似たセリフをきいたわ。
「初めまして。この度はおめでとうございます。オーナーの井上です。三神君と同じオケでハープ弾いてます」
と、ゴージャス熟女。
「ありがたいことに正式団員です」
と、圭太郎。
うそ!
アマオケのハープって、普通エキストラじゃないの?
お金払って乗ってるの?
「うふふ。本業はこれだし、別のトラで稼いでるから、いいのよ。正式団員なら、三神君たちとたくさん練習できるし。シェヘラザードの時は、三神君にわざわざうちに来てもらって、練習に付き合ってもらっちゃったのよね」
……だから来たことあったのか。
「今日は予約のお客様もいないし、混むお店でもないから、ゆっくりお選びくださいね。何かご希望はございますか?」
「婚約指輪と結婚指輪、重ね付けできるように、セットのものがいいんです」
圭太郎が答える。
はー、そんなものですか。
圭太郎の方が詳しいって、女子としてどうなんだろう、自分。
「それでしたらこちらのコーナーへどうぞ。三神君の指輪をお世話できる日が来るなんて、ゆうべは興奮して眠れなかったくらいなのよ」
ゴージャス熟女、改め、井上さんが案内してくれた先には、たくさんの3点セットの指輪たち。