恋色シンフォニー 〜第2楽章〜
5.結婚と仕事
「このたび、正式に婚約いたしました」
月曜夜。
圭太郎と私が働くドラッグストア本部の会議室に4人。
圭太郎の上司である、販促部の羽鳥部長。
私の上司である、商品部の熊田部長。
そして、圭太郎と私。
ただいま、婚約の報告をしております。
以前、それぞれの上司に、そういうことになりそうです、と非公式には報告はしておいたけれども。
昨日の実家への挨拶をもって、正式に、ということにした。
指輪はまだないけど。
婚約指輪って出来上がるまでに結構時間がかかるものなのね。知らなかった。
「おめでとう。で、お二人、仕事は続けるの?」
羽鳥さんが私達を見ながら言った。
ちなみに女性管理職でいらっしゃる。
我が社で初の女性店長や商品部バイヤーを経て、40代で販促部長になり、いずれは初の女性役員になると目されているキャリアウーマン。
ちなみに未婚(激務で婚期を逃したのではないか、との噂がある)。
それは別として、サバサバしててかっこいいけれど、ちゃんと女性らしい気遣いもできる、素敵なロールモデル。
私達はそれぞれ「はい」とうなづいた。