恋色シンフォニー 〜第2楽章〜
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「わー、本物のバイオリンだぁ……」
芽衣が目をキラキラ輝かせている。
練習室にて、リサイタル。
まー、贅沢だわ。
父・母・姉・義兄・芽衣、そして私。
全員で拍手。
和やかな雰囲気。
よかった。
あんな色気だだ漏れで心臓に悪いリサイタルはたまにでいい。
例の曲、
まずは王子様のパートが長調で。
優美に。
続いて、お姫様のパートが短調で。
哀愁を帯びて。
そして、2つのパートを一緒に演奏すると、えもいわれぬハーモニーになる。
……すご。
多少アレンジしてるけど、ちゃんと王子様とお姫様が2人で弾いてるみたい。
なぜそんなになめらかに音がつなげられるの。
って、弓の返しがうまいからなんだけど。あとはヴィブラートをかけ続けるとか、テクニックを惜しみなく使ってる。
プライドが高いヴァイオリニストは、アニメ曲も手を抜かないで弾くのね。
弾き終わり、ぺこりと圭太郎がお辞儀をした。
「すごーい。すごーい。王子様みたいだねー」
芽衣、感動。
父も母も姉も義兄も感心したように拍手。
「じゃあ、オマケ」
と言って、圭太郎が、お姫様の必殺技のBGMを弾くと、をを、芽衣、大興奮。
もう一回、とリクエストしてる。
アイネクやら運命やら、クラシックのメジャーな曲を弾いたり、
ディズニーの曲を弾いたり、
和気あいあいとしたリサイタルになったのでした。
うん。
かっこいいよ。
王子様みたいだよ。
っていうか、私の王子様だよ。
……芽衣みたいに素直に言えないけどね。