君のその小さな背中が 【その背中、抱きしめて】番外編SS
「翔のことだから俺の言うことなんて聞かねんだろーけど、ちょっとやそっとの練習じゃ左で右と同じようになんねーぞ」
「わかってるよ。わかってるけど、何が何でもやる。俺もあの打ち方にする」
隣で大地が盛大にため息をついた。
「そんなにあの4番に惚れた?」
複雑な表情で聞いてくる。
「惚れた」
心臓を直に掴まれたような衝撃だった。
Vリーグやナショナルチームでも、選手にこんなに憧れたことなんてない。
あのフォームを俺のものにしたい。
頭の中をその思いだけが支配した。