君のその小さな背中が 【その背中、抱きしめて】番外編SS



「翔ー。今日遊ぼうぜー」


昇降口で大地に呼び止められる。


「無理。他当たれ」



遊んでる暇なんてねーんだよ。

部活がない日なんて、絶好の練習日なんだから。

1分1秒だって無駄にできねんだよ。



「もしかして、左打ちの練習とか?」


大地がニヤニヤしながら聞いてくる。

こういうとこ、たまにムカつくんだよなコイツ。


「お前には関係ないだろ」


からかわれるのは好きじゃない。

別に理解されたいとも思わない。



あの人のすごさは、俺だけがわかってればいい。



大地にも他の奴にも、同じように思ってくれなんてこれっぽっちも思わない。



< 15 / 44 >

この作品をシェア

pagetop