君のその小さな背中が 【その背中、抱きしめて】番外編SS
「翔ー。今日遊ぼうぜー」
昇降口で大地に呼び止められる。
「無理。他当たれ」
遊んでる暇なんてねーんだよ。
部活がない日なんて、絶好の練習日なんだから。
1分1秒だって無駄にできねんだよ。
「もしかして、左打ちの練習とか?」
大地がニヤニヤしながら聞いてくる。
こういうとこ、たまにムカつくんだよなコイツ。
「お前には関係ないだろ」
からかわれるのは好きじゃない。
別に理解されたいとも思わない。
あの人のすごさは、俺だけがわかってればいい。
大地にも他の奴にも、同じように思ってくれなんてこれっぽっちも思わない。