君のその小さな背中が 【その背中、抱きしめて】番外編SS



試合はどのセットも大差でうちの学校が勝った。


藤ヶ丘は、女子は全国準優勝だけど男子は県大会止まりだから当たり前だけど。




昼休みに1人体育館の外に座ってたら、藤ヶ丘のやつに声を掛けられた。


「さすが全国優勝校はレベルが違うね」


藤ヶ丘のエース。

やつはそのまま俺の隣に座った。


「ちょっと話してもいい?」

「別にいいけど」


物腰の柔らかい男だ。

背も俺ぐらいだから、デカくはない。



どうしたら強いスパイクが打てるのかとか、いくつか質問を受けて答えた。

その質問がひと段落したところで、今度は俺が質問する。


「女バレのサトウユズカさんって知ってる?」



「あ、うちの学校の?うん、佐藤先輩小さいのにすごいからね。学年違うし、ちゃんと喋ったことはないけど」


やっぱりな。

なかなか1コ上の女子と仲いい男なんていないよな。



でも、大地の言葉を思い出す。

『女バレに聞いてもらうんだよ』




聞くか?


変に思われるだろ。


でも、こんなチャンスもう来ないかもしれないぞ。



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