君のその小さな背中が 【その背中、抱きしめて】番外編SS
更にスパイクの精度を上げた3月の終わり、職員室に向かった。
部活の顧問の席に行く。
「お、高遠か。どうした、珍しいな」
「先生、俺をライトにしてください」
単刀直入。
回りくどいこと言ってもしょうがないしな。
「なんだ、いきなり」
顧問が鳩が豆鉄砲を食ったような顔してる。
そりゃそうだよな。
「左打ちに変えてライト打ち練習しました。俺のスパイク見てもらって、納得してもらえたらライトにポジション変更してください」
納得させる自信はあった。
それだけのことをしてきた。
納得させるだけのスパイクを打てるようになった。
少しでもあの人に近づくために。