君のその小さな背中が 【その背中、抱きしめて】番外編SS



オポジットにコンバートしてから3ヶ月、セッターや他のスパイカーとのコンビもどんどん完成度が高くなった。


今年も全国大会まで進んだ。

そして、今日の決勝で優勝すれば、俺の左打ち計画が完結する。




「翔先輩、今日憧れの先輩来るんですか?」


子犬の一也がしっぽ振りながら目を輝かせて聞いてくる。

「来ないだろ。藤ヶ丘出てないんだから」


その子犬っぷりに自分の顔がほころぶのがわかる。


「見たかったなー、翔先輩の憧れの人。俺、雑用してたから女子の試合見れなかったし。表彰式のことなんて覚えてないし」

今度はちょっとふてくされたように口をとがらせる。

ほんと一也は表情がコロコロ変わるよな。



「翔先輩、今日優勝してくださいね」

一也の顔が引き締まる。


「憧れの人の打ち方で優勝してください。その人の打ち方が日本一だって証明してくださいよ」

次の瞬間、子犬の一也の笑顔がはじけた。



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