君のその小さな背中が 【その背中、抱きしめて】番外編SS
視線
桜のトンネルの中を独り歩く。
学校までの緩やかな坂道は桜がちょうど満開だ。
あれから1年半。
ようやくここまで来た。
憧れの人と同じ学校。
あの人は俺のことなんて知らないだろうけど。
それでもよかった。
校門を通って、ふと顔を上げる。
正面の渡り廊下に人影がある。
その人影に、体が硬直した。