君のその小さな背中が 【その背中、抱きしめて】番外編SS
会場が一斉に沸いた。
でも俺は反対に、声が出ない。
(なんだ…あのスパイク)
滞空時間が長いから、スローモーションを見てるような気になる。
なのに腕の振りが速くて、一瞬のうちに相手コートにボールが落ちる。
しかも、鋭角に。
鋭角に落ちるのは、打点が高いからだ。
そんなことより
(なんだ、あの綺麗なフォームは)
一瞬、羽根が生えてんのかと思った。
そのくらい、ふわっと跳んだ。
なんなんだ、あのバネ。