君のその小さな背中が 【その背中、抱きしめて】番外編SS
藤ヶ丘中の得点源は間違いなくあの4番だ。
だから、どうしてもボールが集まる。
全部のスパイクのうち3分の2以上が4番に集まってるから、2セット終わった時点でかなり疲労の色が見えていた。
(最終セット…体力持つのか?)
セットカウント1-1。
次のセットで勝敗が決まる。
4番の体力温存なのか、3セット目は他のスパイカーにトスが振られた。
けど、優勝のプレッシャーなのか、疲れなのか…
スパイクミスが多い。
「4番に球集めた方がいいんじゃねぇ?」
大地の言う通りだ。
その方が決定率が格段に上がる。
でも2セット目の終盤、だいぶジャンプ力が落ちてた。
小さいから人並み以上に飛ばなきゃいけないし、ブロックを打ち抜くために腕の振りも速くしてる。
ようするに、全てのスパイクを100%の力で打ってるから、その分疲労もハンパないはずなんだよな。