君のその小さな背中が 【その背中、抱きしめて】番外編SS
それでも3セット目中盤から4番にボールが集まり始めた。
開いていた点差がどんどん縮まる。
(セッター、もっと他の奴もうまく使えよ)
4番のスパイクは決まるけど、1セット目のあの高さはなかった。
やっぱりジャンプ力もそうそう長い時間もたねぇよ。
14対13。
相手チームのマッチポイント。
サーブレシーブがうまくセッターに返って
ライトに高くトスが上がる。
(あ…)
また見えたような気がした。
背中に翼が。
小さい背中に
大きな翼が生えてるように錯覚する。
吸い込まれるように見つめた。