反対言葉。
おとなしく座ったそいつの「ありがとうございます。失礼します」という礼儀正しい断りに、若干鋭さを抜いて流し見る。
嘆息して立ち上がった俺に、慌てて追随しようと腰を浮かせるのを、気だるい口調のまま遮った。
「いいから座っとけ」
「でも」
「茶くらい奢ってやろうかと思っただけだ」
「え」
「別に、お前を置いて立ち去ろうとか思ってねえよ。いいからおとなしくしとけ。立つな」
俺が放った言葉にまばたきをして、青白い顔を現金なほど朗らかに緩め、腰を落とした女子高生。
「……ありがとう、ございます」
「は、どうも」
しっかり座り直したのを確認する。
「もし脱ぎたかったら靴も脱いでもいいから。足むくむとつらいだろ」
「ありがとうございます、じゃあお言葉に甘えて」
いそいそ脱いだのを尻目に、よし、と頷いて行こうとする俺を引き止めるように、細かい注文が飛んできた。
「あ、わたし紅茶がいいですー! ストレートで!」
「うるせえよ! 知るか!」
舌打ちしてずんずん歩いたのは言うまでもない。
嘆息して立ち上がった俺に、慌てて追随しようと腰を浮かせるのを、気だるい口調のまま遮った。
「いいから座っとけ」
「でも」
「茶くらい奢ってやろうかと思っただけだ」
「え」
「別に、お前を置いて立ち去ろうとか思ってねえよ。いいからおとなしくしとけ。立つな」
俺が放った言葉にまばたきをして、青白い顔を現金なほど朗らかに緩め、腰を落とした女子高生。
「……ありがとう、ございます」
「は、どうも」
しっかり座り直したのを確認する。
「もし脱ぎたかったら靴も脱いでもいいから。足むくむとつらいだろ」
「ありがとうございます、じゃあお言葉に甘えて」
いそいそ脱いだのを尻目に、よし、と頷いて行こうとする俺を引き止めるように、細かい注文が飛んできた。
「あ、わたし紅茶がいいですー! ストレートで!」
「うるせえよ! 知るか!」
舌打ちしてずんずん歩いたのは言うまでもない。