四門メグへの手紙~魔女の瞳番外編~
「なかなかに楽しめた狩りだったが」

男は薄笑みを浮かべて私を凝視します。

その身が。

「!」

ザワザワと総毛立ちます。

私の目の前で、男の牙が、爪が、有り得ないくらい鋭く、長く発達していきます。

「ここらで幕引きとしようや。腹も減ってきた事だしな」

男の肉体は、見る見るうちに獣そのものへと変貌していきました。

野獣と人間の中間態。

「お…狼男…!」

「無粋な呼び方しないでくれや…せめて人狼(ワーウルフ)と呼んでもらいてえもんだな」

男はそう言って笑いました。

やっぱり私の予想したとおりでした。

獣人。

人間と獣の特性を併せ持つ魔物。

それが男の正体だったんです。

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