四門メグへの手紙~魔女の瞳番外編~
途端に。

「がっ!?」

私に食らいつこうとした人狼の喉が、逆に貫かれました。

…私の足元…地面から突き出してきた氷の槍によって。

『氷柱』の魔術。

私は襲い掛かってくる人狼を、氷の槍で串刺しにしたんです。

「が…ふっ…」

人狼が喀血します。

「や…やっぱ…えげつねえな…お嬢ちゃん…可愛い顔して…よぉ」

喉を貫かれたというのに即死しないなんて。

獣人の生命力には言葉もありません。

でも。

「ごめんなさい。人間を食い殺してきた貴方を、生かしておく訳にはいかないんです」

私は詫びるように小さく呟きました。

すると。

「な…に…?」

人狼は大きく目を見開きます。

「そいつぁとんだ誤解だぜ…俺ぁ…この街に来て…お嬢ちゃんが初の食事の予定だったのによ…」

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