四門メグへの手紙~魔女の瞳番外編~
そんな事、彼にわざわざ言われなくてもわかっていました。
自己嫌悪で、この先本当に魔女としてやっていけるのかどうか、私も不安に思っていたくらいですから。
「で?」
人狼は人間の姿に戻り、薄く笑います。
「え?」
「え、じゃねえよ。俺の傷を癒したって事は、おとなしく食われてくれるって事か?」
「違います!」
私は少し声を荒げました。
「貴方は私が探していた猟奇殺人の犯人じゃなかった…だからお詫びの印に傷を癒してあげただけ…さっきもそう言ったでしょ?」
それでも私を食い殺そうとするのならば、今度は私も身を守る為に、彼の命を本気で奪いに行くつもりでした。
「OK、わかったわかった」
少し癇に障る笑みを浮かべながら、彼は腰に両手を当てて立ち上がりました。
「そんじゃ名前聞かせてくれるか?」
「…何故ですか?」
一度は殺し合いをした相手です。
名前を教え合うような親しい仲になった覚えはありません。
「何だよ、昨日の敵は今日の友って言うじゃねえか。小せえ事気にすんな」
…この人狼は、思っていた以上に大雑把な性格のようです。
「何なら俺の方から名乗ろうか?俺はジルコーだ。ネイティブアメリカンの言葉でな、『穏やか』って意味らしい」
おまけに粗暴な性格に似合わない名前です。
「ほれ、お嬢ちゃんの名前は?」
「…天羽…桜花です」
私は渋々名乗りました。
自己嫌悪で、この先本当に魔女としてやっていけるのかどうか、私も不安に思っていたくらいですから。
「で?」
人狼は人間の姿に戻り、薄く笑います。
「え?」
「え、じゃねえよ。俺の傷を癒したって事は、おとなしく食われてくれるって事か?」
「違います!」
私は少し声を荒げました。
「貴方は私が探していた猟奇殺人の犯人じゃなかった…だからお詫びの印に傷を癒してあげただけ…さっきもそう言ったでしょ?」
それでも私を食い殺そうとするのならば、今度は私も身を守る為に、彼の命を本気で奪いに行くつもりでした。
「OK、わかったわかった」
少し癇に障る笑みを浮かべながら、彼は腰に両手を当てて立ち上がりました。
「そんじゃ名前聞かせてくれるか?」
「…何故ですか?」
一度は殺し合いをした相手です。
名前を教え合うような親しい仲になった覚えはありません。
「何だよ、昨日の敵は今日の友って言うじゃねえか。小せえ事気にすんな」
…この人狼は、思っていた以上に大雑把な性格のようです。
「何なら俺の方から名乗ろうか?俺はジルコーだ。ネイティブアメリカンの言葉でな、『穏やか』って意味らしい」
おまけに粗暴な性格に似合わない名前です。
「ほれ、お嬢ちゃんの名前は?」
「…天羽…桜花です」
私は渋々名乗りました。