四門メグへの手紙~魔女の瞳番外編~
更に追い討ちをかけるように、ジルコーも突進。

氷渦の魔術が直撃したグールの胸板に、爪の一撃を見舞います。

「上手いです!」

私は思わず声を上げました。

一点集中攻撃。

強固な体を持つ敵に対するセオリーです。

効果はありました。

ジルコーの鋭い爪が、グールの胸に突き刺さります。

しかし。

「うおっ!?」

それでも倒れる事なく、逆にグールは懐に入ってきたジルコーの体を逆さまに抱え上げました。

そして、力一杯地面に叩きつけます!

「が…はっ!」

敷石が砕けるほどの勢いで叩き落とされ、ジルコーがうめきました。

幾ら人狼がタフとはいえ、あんな攻撃を受けて平気でいられる筈がありません。

「ジルコー!!」

私は咄嗟に魔術を行使します。

「        !」

氷弾の魔術。

氷の弾丸が次々とグールに命中します。

にもかかわらず、グールはそれすら意にも介さない様子で、足元に横たわったジルコーを何度も何度も踏みつけました。

グシャッ!

グシャッ!

グシャッ!

湿った肉が叩き潰される、嫌な音が聞こえてきました。



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