四門メグへの手紙~魔女の瞳番外編~
しっかりと身支度を整えて。

私は夜な夜な、暗闇の街中を歩くようにしました。

聞くところによると、被害者は人通りの少ない通りで、一人でいるところを狙われたらしいという事でした。

だから私もなるべく大きな通りを避けて、街灯もないような寂しい通りを選んで歩くようにしました。

勿論、事前の準備は万全にしています。

不意の襲撃に備えて、いつでも障壁を展開できるようにしていましたし、出掛ける直前まで高速詠唱の復習は欠かしませんでした。

一体どんな魔物がこの街に潜んでいるのか。

…いつもは賑やかなこの御影の街も、猟奇殺人が頻繁に起きる今となっては、急に寒気のするようなゴーストタウンのように感じられました。

一人で歩きながら思ったんです。

メグさん、よくこんな怖い思いしながら戦いに身を置いていられたなって。

魔道を探求する以上、危険は付いて回る。

それはわかります。

魔女という存在は常に死と隣り合わせ。

これもメグさんの教えでしたよね。

でも実際にその危険の中に身を置いてみると、それがどれ程の恐怖なのかがよくわかりました。

メグさん、やっぱりメグさんは凄いです。

最強の魔女だって言われるのも頷けます。

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