翼をください
赤く染まる私の顔を見て微笑む翼に、ドキドキが止まらなかった。
それから待ち合わせの4人で行った海に行くと、時間より早かったせいか、唯と怜は来てなかった。
「なぁ、柚……柚がさ、空港まで迎えに来てくれて嬉しかった。本当は俺から柚のこと、迎えに行きたかったんだ」
心地の良い風に、翼の甘くて優しい声が響く。
「ごめんな……傷付けて」
そうすごく申し訳なさそうに、辛そうに謝る翼に、私は首を横に思い切り振った。
「そんなことない……!!翼は……翼は悪くない!!」
翼の瞳をまっすぐ見て言った。
「私の方こそ辛い思いさせちゃって……気付けなくて……」
目元が熱くなってきた。