翼をください
「じゃあ、何か用意してくる」
そう立ち上がった翼に、
「私、手伝う」
と、席を立った。
翼の家での勉強会。
頭も要領も良い翼には、勉強会なんて必要ないはずなんだけど、笑顔で唯の提案に頷いてくれた。
煮詰まってきたし、と言っていた翼の顔を見ると、まだまだいけそうな感じ。
きっと、普段から勉強してるんだろうし、気を使ったのだろう。
「飲み物、何が良いかな?」
冷蔵庫から飲み物をいくつか取り出して、テーブルに並べる。
そこに、不思議なパッケージを見つけた。
「これ、何味?」