翼をください
私が指差した先を翼が見る。
「あぁ。俺も何味か分かんないんだよね。面白そうだったからって親が買ったんだ」
そのパッケージには、『不思議味、恋味、何味』と縦に書いてあった。
全く見当のつかない味。
気になるけど、怖くて…
紅茶にしようかなって答えようとした時、
「みんなでこれ飲んで見る?」
と、私より早く翼の声がして『赤信号みんなで渡れば怖くない』と一瞬頭に浮かんだ。
けど、気になってたし、いっか。
私たちはお菓子と一緒に、そのジュースを持って上がった。