翼をください
部屋に戻ると、
「持ってきたよー……って……」
2人を見ると、床に寝転がってて、
「寝てる…?」
2人は気持ち良さそうに、扇風機から流れる風に髪を靡かせ寝ていた。
「「……ふ」」
顔を見合せ、思わず笑みが溢れる。
「せっかく持ってきたのに、ね」
「けど、本当に気持ち良さそうに寝てるな」
机に置いたジュースの中の氷が、風鈴のように、チリンと音を立てて形を変える。
この心地良さは、一体どこから来てるのだろう。