翼をください
「わーっ!すっごーい!」
着いたそこには、思わず声をあげてしまうほど、大きくて立派なひまわりが、辺り一面に咲き誇っていた。
「柚ー!見てこれ大きい!」
「本当だー!」
自分たちより高い背丈のひまわり。
背比べをするように隣に並ぶ。
「ねぇ、写真撮ろう!」
持ってきたデジカメのタイマーを設置し、シャッターを押した怜が帰ってくる。
「怜早くー!」
それから、3秒前に電気の点滅が早くなって、
―カシャッ
夏の思い出が、ひとつ色鮮やかに残った。