翼をください





少し静かなところでやりたかった私たちは、少し離れたところへ移動した。




ここから唯と怜は見えないけど、海と星は綺麗に見える。




岩に座って、線香花火に火をつけた。




小さなその光は、だんだん大きくなって、サイダーのように弾けた。




「綺麗だね」




「ね。唯たち、本当にもったいないよね」




こんなにも綺麗なのに。




そう言って上を向いたら、たくさん星が輝いていた。




「星も本当に綺麗だよね」




翼が来てから、よく星を見るようになった。




嫌いだった雨も好きになった。




隣をちらっと見ると、翼も星空を見上げていた。





< 77 / 200 >

この作品をシェア

pagetop