翼をください
「あら、いいわよ。いってらっしゃい」
笑顔でそう言う母に、つい口を開けたままポカーンとしてしまった。
「い、いいの?」
だって受験生だよ?
「楽しんでおいで」
その言葉に、私は勢いよく階段を駆け上った。
「翼、翼!許可がおりちゃった!」
そうまだビックリしながら言うと、
『俺も!』
電話越しに、翼の驚いた声が聞こえた。
それから少し話して、唯と怜にも連絡をした。
そうしたら、宿泊所とかは全部唯と怜が予約とかをしてくれることになった。