翼をください
残りの数段をゆっくり上がる。
蝉のこえさえも神秘的に聞こえる。
違う世界に迷い込んだような感じで……
まるで異次元の世界に来たみたい。
そして、光の中を抜けると……
「わぁ……」
「すごい……」
そこには、威厳と存在感をもった大きな木。
そして、生命力。
その木の後ろには、何か小さな建物が見えた。
いや、小さくはないか……
木があまりにも大きいからそう見えるだけ。
その迫力に圧倒されて、なんだか感動して、感激して……
言葉というものを、忘れてしまったように、声が出なかった。