いつかの、誰かさん
それからも、軽音部の紹介ライブは続き…。
「わ、私こんなに動いたの久しぶりだよ…(笑)」
「おいおい元バスケ部どうした〜(笑)」
「いや〜春休み中動いてなかったから…」
「分かるけどさ(笑) 運動部は大体こういう時に太るよね」
軽音部はすごかった。
絵菜は常日頃から音楽を聞くようなタイプではなかったのだが、都会に住んでいた身なので、色々な場所で流れているBGMなどにはちょっとだけ詳しかったりする。
「お、内藤さんも汗かいてんな(笑)」
「あ、えっと、えっと!確か…いっちゃん?」
「なんだぁ、俺のあだ名知ってんのけ〜」
「いやだって皆そう呼んでたから…(笑)」
いっちゃんと呼ばれるその男の子は、クラスの中でも特に明るく元気の良い子で、いかにも野球少年って感じだ。
「内藤さんって呼ぶのなんか堅苦しいから、絵菜って呼んでもい〜?」
「えっ?!うん!全然いいよって言うかむしろそっちのがいい(笑)」
「良かった〜あ、俺の名前はね、相葉 祈!相葉とか、いのりとか、いっちゃんって呼ばれるかな。」
「いのりって素敵な名前だね!」
「へ、そか?(笑)」
「なんかあんまり聞いたことない名前だし、かっこいいと思う!」
「そりゃ嬉しいわ、ありがと(笑)」
祈は高身長だった。
絵菜の見る限り、180cmはありそうだ。
そうこうしているうちに、体育館から出るように先生に指示され、おのおのクラスに戻る形となった。