いつかの、誰かさん
「やばい!!!ほんとに遅刻する!」
学校に続く道はゆるい上り坂で、走って登校するのは、元バスケ部の私にもつらい!
どうしよう、入学式そうそう、遅刻したら…。
絵菜は顔を真っ青にしていた。
登校初日で遅刻とか目立つじゃん!!!
それはさすがに恥ずかしいかも!
「はぁっ…はぁっ、あ、もう少しで昇降口だあ!」
息を切らしながら、階段を駆け上がり、昇降口に張り出されているクラス分けの紙を見る。
「はぁっ…ええと、私の名前は…」
『キーンコーンカーンコーン…』
「ぎゃあああ!チャイム鳴った?!?!」
…絵菜の高校生活の終わりを告げるチャイムが鳴った。