いつかの、誰かさん

軽音楽部は、この学校で1番部員数の多い部活らしい。
バンドを組んで、それぞれ好きなバンドのコピーをしたり、オリジナル曲を作ったり、ユニットを組んだりしている人がいるとの事。
学校で1番部員数が多いだけあって、迫力が凄いのだとか。
なんにせよ、楽器も何も経験がない私なんかには縁遠い部活だ。
絵菜は、軽音部をなめていた。
もう1度言う、絵菜は完全に軽音部をなめていた。

ジャカジャーーーン!!!!

ステージの幕が降りた数分後、突如大音量のエレキギターの音が体育館中に響いた。

「うわぁ!!!!!お、音おっきいんだね!!!」
「あったりまえだよ!!!!なんてったってうちの高校は軽音部に1番力入れてるんだから!!!!!」

やえに話しかけるにも大声で叫ばないと聞こえない程度。
それにしてもすごく大きい音。
私こんな大音量で音楽聞いたことないな…。

「おはようございます新1年生!!!!手拍子の準備は出来てますか〜?!?!」

おたけびのような声援を送る2年生たちにつられて、新1年生の男子もうぇぇええええいって言ってる…。
すごい迫力。
バンドってこんなかっこいいんだ…!

「───キミノコエヲキカセテ サア ボウケンシテミナイ タノシイコトハジメヨウ 遊びたい! ぜったい! とぅ たいっ! たいっ!たいっ!!!……」

この曲、聞いたことある!
私たちの年代なら、1度は聞いたことがあるであろう有名なバンドのコピー曲から始まった。
歌ってるのは女の子なのに、すごくパワフルに動き回りながら歌っている。

「いぇぇぇええええええええい!!!!」

皆テンション高すぎ!!!

< 9 / 12 >

この作品をシェア

pagetop