本当の遠距離恋愛 1
(ガン!余命3ヶ月!・・・えっ!?転勤?」
紗希はイスから転げ落ちそうになった。
まるで、吉本新喜劇のギャグを言った後のリアクションを
とりそうになる。
「転勤!?」
「うん」
愛美は頷くと居酒屋にも関わらず号泣しだす始末。
周りの客はじっとこちらを伺ったり、ヒソヒソと話している。
紗希は慌てて、
「愛美!愛美!ちょっと泣かないでよ!」
となだめ、バックからハンカチを取り出し、
愛美に渡した。
「ヒック!ヒック!大ちゃんが、大ちゃんが
遠くに行っちゃうよ!」
酔いも手伝ってか、更に号泣しだした。
「って愛美!別れるわけじゃないんだから・・」
「別れると一緒だよ!」
「何で!携帯だってあるし、ほら、メールできるじゃん!
テレビ電話もあるし!
休みの日は、飛行機に乗って会いに行けばいいじゃん!」
「・・・・・」
「2時間もかからないでしょ!?」
「・・・・・・」
「今だってお互い忙しい身だから、週1か周2でしょ?
会うの」
「そうだけど・・・・遠距離恋愛なんて自信ない!」
「やってみなきゃわかんないよ!案外新鮮でいいかもよ!」
「・・・・・・」
紗希は愛美を励ますありとあらゆる言葉を探した。
「愛美!結婚しちゃえば!」
「・・・・したいけど・・・
課長になるまで待ってほしいって!」
「そっか・・・・」