本当の遠距離恋愛 1

 月曜日。

 「おはよう!」

 「お、おはよう」

 空元気の挨拶。
 それがやけに虚しかった。

 「紗希の言ったとおりテレビ電話つけることにしたよ!
  で、週に1度は私が福岡へ行ったり、大ちゃんが上京することに
  したよ!私頑張るよ!遠距離恋愛!」

 「うん!頑張って!私もシフト代われたら代わるから!」

 「ありがとう!紗希!」

 それからの愛美は元の愛美に戻り、仕事でミスを
 することは無くなった。


 そして、


 大ちゃんは福岡へと旅立って行った。
 
 やはり、福岡へ行って1週間は愛美に笑顔は無かった。
 
 だが、心配していたよりしっかりしていた。

 聞くと夜勤以外はテレビ電話でラブラブしているらしい。


 
 ところが・・・


 「紗希・・・明後日の夜勤代わってくれない?」

 明後日の久々の休みの計画を立てていると、
 愛美の嬉しくない提案が飛び込んできた。

 「大ちゃんが休み取れたっていうから会いに行こうと
  思って!」
 
 あまりの笑顔に断る言葉を無くしてしまった。

 「うん、いいよ」

 2つ返事とはいかないが、紗希は特別何も用事が無かったので
 了承した。

 「ありがと!紗希だけだよ!
 と抱きついてきた。
 愛美から赤ちゃんのミルクの匂いが漂ってきた。


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