本当の遠距離恋愛 1
しかし、こういう事が何回も続いた。
紗希は少し苛立っていた。
夜勤が増えたからである。
いくら友だちでも今度こそは断ろうとしていた矢先、
「紗希・・・」
(またか・・断らないと・・・)
「愛美、ごめん、今回は夜勤・・」
「違う!違う!」
「えっ!?」
「勤務交代じゃないの・・お金・・・」
「えっ!お金!?」
「・・・お金貸して欲しい」
「・・・・・」
「福岡までの旅費代バカにならなくて・・
私夜勤やってないから給料減って・・・
でも大ちゃんに会うのに同じ服着ていかれないし・・
服買ったら飛行機代足らなくなっちゃった・・・」
「いくら?・・・」
「3万円!」
「3万!?」
「お願い!次の給料日には必ず返すから!」
「う、うん。わかった」
紗希は3万円を愛美に渡した。
いい気はしなかったが友だちなので無碍に断れず、
1回だけは・・・と貸した。