本当の遠距離恋愛 1

 「はい、これ!遅くなってごめんね!」

 18時に待ち合わせた居酒屋で店員にビールを
  頼んだ後、愛美は少し厚めの封筒を差し出した。

 「えっ!?」

 紗希はその封筒を受け取り中を覗くと
  1万円の札束が。

 「35万円入ってるから」

 「35万?」

 「ほら、紗希に借りてたお金」

 「3万多いんだけど・・」

 「いいよ、いいよ、利子、利子!」

 「いいって!」

 「・・・じゃあ今日おごって!」

 「でも、それでも多いよ!」

 「もう!いいから!早くしまって!」

 「・・・・・」

 バックに入れたと同時にビールが運ばれてきた。

 

 「かんぱーい!」

 「・・・乾杯・・」

 愛美はググッとビールを喉に流し込む。

 「プハー!あーおいしい!」

 「・・・・・・」

 「ねえ・・・、大ちゃんとはうまくいってるの?」

 「別れた!」
 
 「うそ!?」

 「ほんと」

 あっけらんかと言う。


 「いつ?」

 「う~んと・・・1ヶ月前かな?」

 「原因は?」

 「疲れちゃった。だって私ばっかり福岡に行って、
   アイツ東京へは1回も来てくれなかったもん」

 「・・・・・」

 
  大ちゃんから アイツ になっていた。

 
 愛美と距離をおいて2ヶ月近くなるが、
  その間になにがあったというのだろう・・・。
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