本当の遠距離恋愛 1
明後日、子宮筋腫のオペ(手術)をする患者さんだ。
「痛い!他の看護師さんと代わって!」
愛美は肩を落としナースステーションに入ってきた。
「紗希、代わって・・」
点滴の用意をしていた紗希に声をかけた。
見ると、トレイに使用済みの注射器3本と
駆血帯(手を縛るゴム)それに、
空のスピッツ(採った血液を入れる容器)が。
紗希は新しい注射器を用意し、患者の元へ急いだ。
「失礼します」
カーテンを開けると、患者は苦痛の表情をしている。
「ごめんなさいね、もう一回だけお願いします」
紗希は患者の寝巻きの袖を捲ると痛々しい後が。
確かに入りにくい血管ではあるが、愛美だったら
なんてことのない血管である。