クールな准教授の焦れ恋講義
「私、先生の言うとおり今より色々な経験積んで仕事も頑張ります。立派な社会人になります。だから、もし私の気持ちが変わらなかったらもう一回告白させてください。そのときまた考えて欲しいんです」
しばらくの沈黙の後、聞こえてきたのは先生が大きく息を吐いたものだった。
折角フォローしてくれたのに、言葉の揚げ足をとるような真似をしてしまって今度こそはっきりと厳しい言葉で拒絶されるかもしれない。勢いに任せて口から出た言葉をなんて取り繕えばいいのかと迷ったそのときだった。
「三年、その気持ちを三年もっていられたら、な」
聞き取れるかどうかの掠れた声。それでもしっかりと私の耳に届いた一言が、それまでのやりとりを全部吹き飛ばしてしまったのである。
私はあれから先生に対して答えを求めるような真似も、自分の気持ちを改めて伝える素振りも見せなかった。先生も次に会ったときは何事もなく接してくれたから、私もそうするべきだと思ったのだ。
何より、私は学生ではなく一社会人として先生と関わっていくことになったのだから。
その関係は決して悪いものではなかった。仕事の関係で大学を訪れることも多々あり、先生の研究室にも用事がてら顔を出した。
色々雑用を押し付けられたりすることもあるが、それでも学生のときとは違って頼まれたり頼ってもらえるのは嬉しかった。こうして学生のときには連れてきてくれなかった店に連れてきてもらってもらえることも。付き合ってはいないけれど、この関係が心地よくて壊したくなくなる。それでも――
しばらくの沈黙の後、聞こえてきたのは先生が大きく息を吐いたものだった。
折角フォローしてくれたのに、言葉の揚げ足をとるような真似をしてしまって今度こそはっきりと厳しい言葉で拒絶されるかもしれない。勢いに任せて口から出た言葉をなんて取り繕えばいいのかと迷ったそのときだった。
「三年、その気持ちを三年もっていられたら、な」
聞き取れるかどうかの掠れた声。それでもしっかりと私の耳に届いた一言が、それまでのやりとりを全部吹き飛ばしてしまったのである。
私はあれから先生に対して答えを求めるような真似も、自分の気持ちを改めて伝える素振りも見せなかった。先生も次に会ったときは何事もなく接してくれたから、私もそうするべきだと思ったのだ。
何より、私は学生ではなく一社会人として先生と関わっていくことになったのだから。
その関係は決して悪いものではなかった。仕事の関係で大学を訪れることも多々あり、先生の研究室にも用事がてら顔を出した。
色々雑用を押し付けられたりすることもあるが、それでも学生のときとは違って頼まれたり頼ってもらえるのは嬉しかった。こうして学生のときには連れてきてくれなかった店に連れてきてもらってもらえることも。付き合ってはいないけれど、この関係が心地よくて壊したくなくなる。それでも――