御曹司は身代わり秘書を溺愛しています
「だけど、やっぱりおかしいと思うんですよね」
開口一番、陸がふてくされたように言った。
その不機嫌そうな様子に、陸をここまで連れてきてくれた六車さんが黙って肩をすくめる。
陸と会うのはあの事件から初めてだから、三日ぶりのこと。
顔にあざが残っているものの、あとはすこぶる元気な様子だ。
検査の結果も全く問題なかったと怜人さまから聞いてはいたが、こうして実際に元気な顔を見れば、やはり安心する。
無事に再会できたことを喜ぶ私を完全に無視し、陸は怜人さまに向かってなおも抗議を続ける。
「同じ都内から来るんだし、何も別々に来なくっても良かったんじゃないですか。六車さんの車にみんなで乗ってくれば」
「もしもあの時、彼が病院から帰る僕らのあとをつけていたら?僕のマンションはセキュリティが万全だから安心だが、君がいるホテルとなると話は別だ。いくらスタッフが気をつけていても、不特定多数の人間が出入りするからね。念には念をいれて、別行動の方が安全だ。……それに、僕らは帰りにちょっと寄り道するかもしれないし。だって、せっかくの週末なんだし……。もう大人なんだから、その辺りは気を利かせてもらいたいな」
開口一番、陸がふてくされたように言った。
その不機嫌そうな様子に、陸をここまで連れてきてくれた六車さんが黙って肩をすくめる。
陸と会うのはあの事件から初めてだから、三日ぶりのこと。
顔にあざが残っているものの、あとはすこぶる元気な様子だ。
検査の結果も全く問題なかったと怜人さまから聞いてはいたが、こうして実際に元気な顔を見れば、やはり安心する。
無事に再会できたことを喜ぶ私を完全に無視し、陸は怜人さまに向かってなおも抗議を続ける。
「同じ都内から来るんだし、何も別々に来なくっても良かったんじゃないですか。六車さんの車にみんなで乗ってくれば」
「もしもあの時、彼が病院から帰る僕らのあとをつけていたら?僕のマンションはセキュリティが万全だから安心だが、君がいるホテルとなると話は別だ。いくらスタッフが気をつけていても、不特定多数の人間が出入りするからね。念には念をいれて、別行動の方が安全だ。……それに、僕らは帰りにちょっと寄り道するかもしれないし。だって、せっかくの週末なんだし……。もう大人なんだから、その辺りは気を利かせてもらいたいな」