御曹司は身代わり秘書を溺愛しています


途端に警察が彼を取り囲み、拘束しようとする。するとそばにいた父が警察に立ちはだかり、康弘さんを庇うように抱きついた。


「待ってください。彼はたった今、私と話して自主すると言ってくれました。今から警察に行くところだったんです!」


康弘さんよりもずいぶん背丈の小さな父が、周りから必死で庇うように康弘さんを抱きしめる。


「僕が……彼の父親の代わりです。だから僕にも責任がある……。どうか許してください。どうか……」


そう言いながら父の目に流れる涙を、同じように涙を流した康弘さんがぬぐった。


「社長……。僕は……。」


「いいんだ。何も言うな。待ってるから、待ってるからな!」


父の計らいで拘束はされないまま、康弘さんは警察の人と一緒に行ってしまった。








< 169 / 242 >

この作品をシェア

pagetop