御曹司は身代わり秘書を溺愛しています
怜人と父親のウィリアムはここ何年か一緒にクリスマスを過ごすことは無かったらしいけれど、今年は私も交えて久しぶりの家族でのクリスマスを過ごすことになった。
どうしても外せない予定が入っているウィリアムはクリスマス当日に戻るらしく、私たちだけが一足早く本宅へ戻ることになっている。
「こちらへ連れてきて、いきなり緊張させることばかりで……。本当はとても疲れたんじゃないですか」
「いいえ。緊張しましたけど、とても楽しかったですよ。みなさん、親切な方ばかりでしたし」
社交界のパーティなんてどんなに堅苦しくお上品なんだろうって、本当は行ってみるまではとても緊張していけれど、実際にお会いしてみればみなさんとても優しい方ばかりだった。
特に、普段顔を見せない怜人が現れたことがみんなに喜ばれ、合わせて結婚するというおめでたい話題、怜人の学生時代の友人たちや年配の方々にはとても祝福していただけた。
……でもやっぱり、一部の若いお嬢様たちには、とてもキツイ視線を向けられてしまったけれど。
「年末に遊びに来ないかってハリーに誘われたんだけど、今回は予定が合わないと辞退しました。じゃあこの次必ずと約束させられたから、次にこちらに来た時には必ず行かなくてはいけないですけど」