御曹司は身代わり秘書を溺愛しています
「私もまたハリーやレイチェルにお会いしたいです」
「本当に?それなら良かった」
レイチェルとは何度か参加したパーティで会ったけれど、いつも私を手厚くサポートし、興味本位で怜人とのなれそめを根掘り葉掘り聞いてくるお嬢様たちからさりげなく守ってくれていた。
レイチェル本人はハンサムな貴族の御曹司との結婚が決まって、まさに幸福の絶頂、キラキラと輝くオーラを放ちまくっている。
「明日の朝ここをたって、しばらくは田舎暮らしだから退屈かもしれないけれど……。とても美しい場所だから、連れて行ってあげたい場所がたくさんあるんですよ」
「私、とても楽しみにしているんですよ。それに……怜人とずっといられるなんて、本当に久しぶりだから」
再会してからも、怜人はとても忙しい毎日を送っている。
最近は本国での仕事も増え、文字通り後継者としての役割を果たしているようだ。
「ようやく再会できたのに、あまりかまってあげられなくて……。淋しい想いをさせたのではないですか。許してください。その分を取り戻すつもりで、休暇中はあなたにかかりきりになりますから」
そう言った彼の瞳が妖しく揺れて、なぜかどきりとしてしまう。