恋なんてするわけがないっ‼
コトッと控えめにカップを置いた藤沢は、
こちらをしっかりと見て問う。
「………何があった?」
そう聞かれて少し戸惑う。
こういうことは付き合っている藤沢に言うべきなのか、言っていいものなのか。
かといって、言わないでいるのも自分の中に少しでもやましい気持ちがあると自分自身が認めないといけなくなるわけで…………
「…………田邊君に、告白されたの。」
藤沢の目はやっぱりな、という感じだ。
「それで紀田は?」
「断った、……けど、それから田邊君にどう接したらいいかわからない………」
いつも通り、何もなかったように接するのがいいのだろうか………
かといって何も無かったようにというのは田邉君の告白してくれた勇気すらなかったことにしてしまう気がする。
さっぱりわからない、どうしたらいいのかなんて。