恋なんてするわけがないっ‼
「田邉のやつ、アレ素でやってんのか。恐ろしいな………はぁ………」
私の家で夕飯をふるまって、くつろいでいると藤沢が参った、という風にため息をついた。
藤沢のくせに落ち込んでる、いつも自信に満ちたような藤沢が。珍しいな………
「……⁉」
今の今まで目の前で落ち込んでいた藤沢が、
突然私を抱きしめた。
藤沢の胸に鼻がぶつかって少し痛い。
それとついでに言うなら、結構彼の体重がこっちにかかっていて腹筋がプルプル震えている。
健康なのか体型のためなのか、一応軽い筋トレはしてるんだけどな。
「ふ、じさ……わ。も、無理…っ…」
流石に腹筋が限界で、震える声で何とか伝える。