恋なんてするわけがないっ‼



どうやら彼らは歩きながら話をしていたらしい。


階段の上で立ち止まっていた私達は彼らの目に入ったようだった。



「……ぅわっ!じょて……紀田さん!いや、その下心は……ないですから!!勿論!!」



先程書類の確認を頼んだ方は慌てて弁解をした。



そしてよほど慌てているのか、とんでもない事を言い始めた。




「藤沢さん、まじで違いますよ!?俺らお二人の邪魔なんてするつもりありませんし!」




何を言うんだ、この人は。
私と藤沢の間になにかあるとでも言うのだろうか。



すると、もう片方の子も恐ろしいことを言った。




「いや……でも、藤沢さん羨ましいです。
だって紀田さんのお尻いつも触ってるじゃないですか。」




あらぬ誤解を招きそうな発言はやめて欲しい。いや、しかし本当の事といえばそうだ。


< 12 / 182 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop