恋なんてするわけがないっ‼
どうやら彼らは歩きながら話をしていたらしい。
階段の上で立ち止まっていた私達は彼らの目に入ったようだった。
「……ぅわっ!じょて……紀田さん!いや、その下心は……ないですから!!勿論!!」
先程書類の確認を頼んだ方は慌てて弁解をした。
そしてよほど慌てているのか、とんでもない事を言い始めた。
「藤沢さん、まじで違いますよ!?俺らお二人の邪魔なんてするつもりありませんし!」
何を言うんだ、この人は。
私と藤沢の間になにかあるとでも言うのだろうか。
すると、もう片方の子も恐ろしいことを言った。
「いや……でも、藤沢さん羨ましいです。
だって紀田さんのお尻いつも触ってるじゃないですか。」
あらぬ誤解を招きそうな発言はやめて欲しい。いや、しかし本当の事といえばそうだ。