恋なんてするわけがないっ‼




いつまでこれを断り続ければいいんだろう、あぁこいつに俺じゃない恋人ができるまでか…………



そう考えるとなんだか目の前で文句を言っているこいつを野放しにしていては行けない気がした。




「小雪」



そう呼ぶと彼女の顔に驚きの表情が映る。
文句も止まる。



「な、何?」



滅多に名前で呼ばないから驚くのだろうか。
それだけで顔を赤くしてくれてるのは俺ことを意識しているのだろうか。







「俺じゃだめなの?」





何年ものだよ、ってくらいに熟成させた想いをこんなところで伝えてしまっている俺は相当余裕がなくなっている。




ムードもない、いつだか彼女が言っていた夜景のきれいなレストランでディナーを食べ終えたあとに、なんてそんなロマンティックな場所でもない。




こんないつも仕事をしている会社で、隣には藤沢さんや紅ちゃんもいるのに。





これは、断られるなと思った。





周りが何気なさを装って聞き耳を立てているのを感じた。







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